遺言について誤解していませんか~前編~

こんにちは。

豊中行政書士事務所の樋口晴一です。

よくあることですが、「家族はみんな仲がいいし、遺言がなくてもいい」とおっしゃる方がいます。

実は、無意識にご家族をまとめているから仲良く過ごせているのでは!!!!

ご家族が仲良くなるように、無意識に工夫しているから今があるのかもしれません。

遺言は、ご自身が亡くなって初めて効果が出ます。

何があってもご自身がどうすることもできないんです。

おそらく…天から見学しているだけですし、言っても話しても聞こえません。

せめて、ご自身の財産の行方だけはハッキリと伝えられるようにしておきましょう。

また、遺言は「死ぬ」ことから連想していい印象を持てないという方もいらっしゃいます。

「遺言を書いてほしい」という、家族からのお願いに、とても怒られた方もいらっしゃると聞いています。

実は、遺言を書くことで「悩みがなくなる」ことや「人生の振り返り」をすることができます。

ずっと妻・夫や子供へ財産や色んな気持ちを考えたり、悩んだりしていたことが遺言で言語化することができて気持ちを整理することができます。

遺言では、財産を誰にどれだけ渡すか…ということを書くことがメインです。

家族のことを振り返ったり、財産がどのように築き上げてきたか振り返ることもできます。

あんなことやこんなことがあったな…と当時の記憶を思い返すことができます。

あなたの人生はどんな軌跡をたどってきましたか?

そして、「財産が少ないから遺言は必要ない」とおっしゃる方もいます。

しかし、たいした額でないと思っていても、計算すると多額になる場合もありますし、

財産を頂く側からしたら多額と思われることもあります。

大人の1000円と小学生の1000円のように、立場が違っていたら感じ方は全く違います。

そして平成30年度の間で、遺産分割のことでモメた数は7507件(遺産分割事件のうち認容・調停成立件数)ありました。

色んな士業の人のおかげで事件にならなかったのがほとんどですから、数はもっと多いですよ!!!

内訳は、

1000万円以下…2476件・33%

5000万円以下…3249件・43.3%

1億円以下…832件・11.1%

5億円以下…533件・7.1%

…というように、5000万円以下で75%を超えてしまっています。

そもそも5000万円以下が圧倒的に多いのでは…とは思われますが、

財産が「多い」や「少ない」という理由で、「モメる」「モメない」と考えてはいけないことがわかりますね…

この記事を書いた人

h.higuchi